ただのカスタムカーじゃない?VIPカーって何?
車が好きで、車に自分の人生をかけている方であれば、自分の車をカスタムカー(改造車)にしたいと思うこともあるでしょう。市販のままのファミリーカーが主流である現代でも、カスタムカーは目を引きます。ここでは、カスタムカーの中でもVIPカーと呼ばれる車の特徴を紹介していきます。
VIPカー、それは古めのセダンに吹き込まれた、新たな命
VIPカーは、かつて高級車として販売されていたセダンに、豪華な装飾を施したカスタムカーの一種です。カスタムカーは、サーキット仕様で馬力が大きく速いレーシングカーも含めた改造車全般を指しますが、VIPカーは一般公道を走ります。しかも、車の速さより、見た目を重視するという点で、カスタムカーの中でも独特の位置付けです。
VIPカーの特徴は、外装と内装それぞれに表れています。外装では、前後にエアロパーツが取り付けられています。そして、従来の高級セダンと比べて、車高が低く、ホイールが太く、マフラーが大容量かつ大音量になっています。エンジンがオンの状態では、非常に高らかな音が鳴ります。ドライバーによっては、ボディの塗り替えがなされ、白や黒を基調とした派手な色になることもあります。
また、内装では、応接間をモチーフに、大理石や木目の模様をしたシートが貼られることが多いです。他にも、光り物を取り付けて、派手な装飾を施すドライバーもいます。
VIPカーの外装と内装に共通して言えるのは、ベースが5年以上前の高級セダンのため、それにいかに現代風に命を吹き込むかを考えてカスタムがされるという点です。例えば、後付けでLEDライトが加わるなど、現代風に見せるためのカスタムがなされています。
VIPカーは車だけでなく、ドライバーもこだわりづくし!
VIPカーを運転するドライバーの最大の特徴は、大抵がチーム、クラブ、連合などを結成するかその一員に所属し、団体となって動くことにあります。
VIPカー自体が見せ物で、ドライバー同士が、カスタムすることに独自のこだわりを持っています。すると、ドライバーそれぞれのこだわりや地域によって、団体が結成されやすくなります。VIPカーのドライバーが休日に集まり、ミーティングや装飾コンテストを行うこともあります。休日に高速道路を走っている時、高らかな音を立てて、VIPカーが脇を通り抜けていくのを見ることがよくあるのはこのためです。
ところで、VIPカーというと、「VIP」という名前から、特別に選ばれた要人が乗る車、というイメージがあるでしょう。しかし、本来芸能人や実業家などの要人は、タクシーやリムジンのリアシートに乗ります。VIPカーのドライバーは、自ら運転し、自ら車を改造します。VIPは車の外装や内装のイメージに過ぎず、要人のVIPとは全く関係がありません。また、VIPカーの外装や内装、そしてドライバーの習性から、暴走族のイメージが一般に定着しています。VIPという名前は、それを打ち消すための手段なのかもしれません。